宝塚市でのんびり歴史旅。豊臣秀吉と千利休のゆかりの地・小浜で立ち寄りたい穴場の観光スポット３選

兵庫県宝塚市に位置する小浜（こはま）は、戦国時代に寺院と民衆が一体となってつくりあげた歴史ある町。江戸時代には、京都府伏見、兵庫県西宮、兵庫県を代表する温泉地・有馬温泉に通じる3つの街道が整備されたことにより、”小浜宿”という宿場町としてさらなる賑わいをみせていました。そんな小浜では、現在でも至るところで歴史的風情を残すスポットを見つけることができます。その中から今回は、小浜の誕生のきっかけとなったお寺、宝塚市最古の民家、小浜一帯の歴史を語り継ぐ資料館の3つの穴場の観光スポットをご紹介します。

全ての観光スポットが、JR・阪急宝塚駅から阪神バスで10分の「小浜停留所」より徒歩5分圏内です。

豊臣秀吉や千利休たちが宿泊した、小浜発展の中心核「毫摂寺」

南北朝時代に京都の加茂川付近に建てられたとされる「毫摂寺（ごうしょうじ）」。応仁の乱で全焼してしまったことがきっかけで、小浜に移設された浄土真宗本願寺派のお寺です。当時の地元の人々に「小浜御坊」と親しまれていたこのお寺を中心に、小浜は寺内町として繁栄していきました。また、豊臣秀吉が千利休を連れて有馬温泉へ湯治に向かう際に、宿泊していた場所でもあるとか。一方で、秀吉の甥・秀次が毫摂寺の娘・亀姫に恋心を抱き、側室として寵愛したものの、秀吉に謀反の疑いをかけられ切腹。亀姫も京都で処刑されたという悲話が伝えられています。秀次の切腹後、毫摂寺は再び焼き討ちにあってしまうのですが、交通の要所として江戸時代に見事復権。本堂の屋根瓦に刻まれた十六菊花の紋章が、格式の高さを啓示しています。

拝観時間	常時開放
住所	兵庫県宝塚市小浜5-5-12
アクセス	小浜停留所より徒歩1分
URL	https://kanko-takarazuka.jp/recommend/culture_detail.php?id=106

300年前の人々のしきたりや暮らしぶりを物語る、歴史民俗資料館「旧和田家住宅」

「旧和田邸宅」は、かつて庄屋であった和田家の邸宅。約300年前に建てられたこの建物は宝塚市内に現存する最も古い邸宅のひとつであることから、宝塚市の有形文化財に登録されています。現在は当時の生活を後世に伝えるため、歴史民俗史料館として一般開放されています。6つの部屋で構成されていて、「へや」「なんど」と「ちゃのま」「板間」の間が約20㎝の高敷居で仕切られている”納戸構え（なんどかまえ）”という様式が特徴的。使用人は、この敷居をまたいではいけなかったのだそう。お客さんを接客するための角屋座敷、住み込みで働く人たち用に設けられた天井裏の寝室などからも、江戸時代の身分制度がいかに厳格であったかを学ぶことができます。障子を開くと姿を現す、額縁に入れられた絵画のような庭園を眺めながら、穏やかなひと時を過ごすのもいいかも。

営業時間	10:00〜16:00　月曜、年末年始（12月28日〜1月4日）休館
住所	兵庫県宝塚市米谷1-8-25
アクセス	小浜停留所より徒歩5分
URL	http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/s/kyoiku/rekishi/1036695/1029041/index.html

かつて使用されていた展示品がたくさん。小浜一帯の歴史を案内人とともに辿ることができる「宝塚市立小浜宿資料館」

「宝塚市立小浜宿資料館」は戦国時代の武将・山中鹿之介幸盛（やまなかしかのすけゆきもり）が祖先であり、代々医業を営んでいた山中家の跡地に開館した資料館です。館内には、江戸時代の小浜の街並みを精巧に再現したジオラマをはじめ、実際に使用されていた大工道具、禁止事項などが書かれた立て札などが。常駐している案内人が、展示品ひとつひとつの歴史を丁寧に説明してくれるので、理解をより一層深めることができますよ。ちなみに、館内の庭にある井戸「玉の井」に立ち寄るのもお忘れなく。豊臣秀吉によってお茶を点てるよう命じられた千利休が、この井戸から水を汲んだというエピソードが伝えられています。

営業時間	10:00〜16:00　月曜、年末年始（12月28日〜1月4日）休館
住所	兵庫県宝塚市小浜5-6-9
アクセス	小浜停留所より徒歩5分
URL	https://kanko-takarazuka.jp/recommend/culture_detail.php?id=95