“洞窟遺跡”の数が日本一の佐世保市で、吉井町に寄り道。日本最古の遺物が発見された福井洞窟を起点に、自然を通して歴史を学ぶ散策ルート
佐世保市といえば、ハウステンボスや九十九島パールシーリゾート、西海橋や展海峰などを思いつく人が多いのではないでしょうか?しかし今回注目するのは、”洞窟”をはじめとする歴史を教えてくれる自然スポットと博物館。実は、佐世保市は”洞窟遺跡”の数が日本一と言われているのです。なかでも、佐世保市の北部に位置する「吉井町」には、日本最古の遺物が発見された”福井洞窟”があります。同スポットを起点に、自然に癒されながらも学びのある散策をしてみては?
3万年以上前の遺物が出土!9,000年間蓄積された、15層もの地層で作られている「福井洞窟」
標高80mという小高い丘に位置する”稲荷神社”。その境内には、本殿をすっぽりと覆うかのように口を開けた、国の重要文化財「福井洞窟」があります。福井川の浸食によってできたそうで、間口16.4m、高さ4.7m、奥行5.5mと少しこじんまりとした洞窟。一方で、同洞窟の地層が持つ歴史はとても壮大。1万9,000年から1万年前に渡って蓄積された15層の地層でできていて、それぞれの層から出土した石器や土器などの遺物からは、旧石器文化から縄文文化への発展過程を知ることができるのです。最下層から見つけられた3万年以上前の土器は、なんと日本最古の遺物。当時の人々が狩猟用の道具だけでなく、土器も作っていたということがわかったのは、歴史上の大発見なのだとか。同洞窟を実際に訪れて、同洞窟の凄みと私たちの祖先との繋がりを感じてみて。
住所 | 長崎県佐世保市吉井町福井1013 |
アクセス | 佐世保駅前からバスで約1時間の「下福井」下車後、徒歩約3分 |
URL | https://www.sasebo99.com/spot/62052 |
発掘された6mの地層の原寸大ジオラマや、古代のくらし体験を通して、福井洞窟のことを詳しく知ることができる「福井洞窟ミュージアム」
福井洞窟を訪れた後は、4kmほど離れた場所にある「福井洞窟ミュージアム」へ。フロアはジオラマ、展示室、くらし体験室、インフォメーションの4つのエリアで構成されています。展示室には同洞窟で発掘された遺物がずらり。インフォメーションには、古代人になりきってマンモスと撮影できるスポットも。ジオラマに設置されている、発掘現場から採取された高さ約6mの地層の剥ぎ取り資料は必見。稲荷神社も再現されているので、現地では見られなかった地下深くがどのようになっているのかイメージしやすくなっています。また、くらし体験室では縄文土器づくり体験、旧石器時代や縄文時代の衣装の試着などが可能。お子さんも十分に楽しめるコーナーが多いので、飽きずに楽しんでくれそう。
開館時間 | 9:00〜17:00(最終入館 16:30) 月曜、年末年始(12月29日~1月3日)休館 ※月曜が祝日の場合は次の平日休館 |
住所 | 長崎県佐世保市吉井町立石473 |
アクセス | 佐世保駅前からバスで約50分の「吉井」下車後、徒歩5分 |
URL | https://www.fukuicave.jp/ |
川の流れと小石が作る、大小600もの丸い穴に目を見張る「ポットホール公園」
長崎県下第2位の長流・佐々川。その川沿いに整備されている、全長500mの河川公園が「ポットホール公園」です。”ポットホール”とは、河底や河岸の岩石にできる円形の穴のこと。河床の岩盤の割れ目や窪んだところで川の流れが渦を巻き、小さな穴ができた後、そこにはまった小石によって削られてできるのだそう。同園では、大小600個余りものポットホールに出会うことができます。川底が削られて水位が下がっているため、地上に顔を出しているものもたくさん。整った円形、洞窟のような筒状、作りかけのものなど様々な形があるので、景色を眺めながら探してみるとより楽しめるかも。
開園時間 | 24時間 |
住所 | 長崎県佐世保市吉井町前岳免158-1 |
アクセス | 佐世保駅前からバスで約1時間の「吉井河川公園前」下車後、徒歩すぐ |
URL | https://www.city.sasebo.lg.jp/benrimap/shisetsu/koen/319.html |
今回の旅の拠点
佐世保ワシントンホテル
佐世保駅 徒歩3分