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江戸の鼓動が響く3日間──初夏の浅草で出会う、三社祭の熱狂

東京・浅草。スカイツリーと伝統が共存するこの街に、毎年5月、特別な3日間が訪れます。街の空気が一変し、威勢のいい掛け声と太鼓の音が鳴り響く──それが、浅草神社の例大祭「三社祭(さんじゃまつり)」です。

三社祭(Sanja Matsuri Festival)
Photo by @nymt8las

浅草神社は、7世紀に創建された浅草寺と並ぶ古社。三社祭の名前の由来は、この神社に祀られている三人の神様──土師真中知命、檜前浜成命、檜前竹成命──にちなんでいます。彼らは、浅草寺の御本尊となる観音像を隅田川から引き上げた人物として知られ、浅草の始まりを語る上で欠かせない存在。三社祭は、彼らをたたえ、地域の守り神としての感謝を捧げる行事として700年以上の歴史を誇ります。三社祭の魅力は、なんといってもその「熱量」。期間中は、100基以上の町会神輿が浅草のまちを巡り、法被姿の担ぎ手たちが「ワッショイ」の声とともに神輿を上下に揺らしながら練り歩きます。観客の熱気、担ぎ手の気迫、響き渡る笛と太鼓。そのすべてが一体となって、街全体がまるで“生きている”かのような躍動感に包まれるのです。

とりわけ見逃せないのが、最終日に行われる「本社神輿」の宮出しと渡御。浅草神社に安置された三基の神輿が早朝に担ぎ出され、それぞれの町を巡りながら街の繁栄と安全を祈願します。朝露に濡れた石畳を、重さ約1トンの神輿が力強く進む様子は、まさに圧巻の一言。担ぎ手と観客が一体となるその光景には、言葉にできないエネルギーが満ちています。また、神輿だけでなく、浅草の風情あるまちなみや、装飾された商店街、夜のライトアップなども祭りの魅力。下町の人情に触れながら、時には屋台で地元グルメを楽しんだり、提灯が揺れる夜の浅草寺で静かなひとときを過ごしたりと、訪れるたびに違った表情を見せてくれます。

観る、聴く、感じる──五感すべてで楽しむことができる三社祭は、まさに“体験する東京”の象徴とも言えるイベント。浅草の歴史と人々の誇りが息づくこの3日間を、今年はあなたの旅のハイライトにしてみてはいかがでしょうか。

開催日2025年5月16日(金)〜18日(日)
住所東京都台東区浅草2-3-1
アクセス・ホテルタビノス浅草から徒歩で約6分
・ホテルグレイスリー浅草から徒歩で約7分
URLhttps://www.asakusajinja.jp/sanjamatsuri/

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