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今注目の“大河の舞台浅草”吉原神社”を歩く

東京・浅草。時代とともに変わりゆくこの街に、今あらためて注目を集める“物語の舞台”があります。近年の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』にも登場する「吉原神社」。浅草寺や仲見世といった定番観光地の喧騒を離れ、一本路地を入った先にひっそりと佇むこの神社は、江戸文化が色濃く残る“吉原”という土地の記憶とともに、いま再び脚光を浴びています。

Photo by @mitsumasa_diarys

吉原神社の創建は明治5年。かつての遊郭街・吉原の繁栄と安全を祈願して建立され、御祭神としては倉稲魂命(うかのみたまのみこと)、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を祀っています。とくに市杵島姫命は、技芸や縁結びの神様として知られ、舞踊や芸能の上達、良縁を願う人々にとっては“特別なご利益”があるとされてきました。『べらぼう』の主人公である蔦屋重三郎も、そんな吉原の文化を育んだひとり。

“奇才”とも称される彼が出版を通じて広めた多くの浮世絵や黄表紙は、まさにこの土地の感性に支えられていたのです。ドラマでは、彼が足繁く通ったとされる吉原の風景が、美しいセットやCGを駆使して丁寧に再現されており、その空気感を実際に味わえる場所として、この神社が“聖地巡礼”の地に選ばれました。境内は決して広くはないものの、色とりどりののぼりや手水舎の花手水など、フォトジェニックな要素も多く、SNSを中心に「浅草の隠れた映えスポット」としても人気が急上昇中。とくに休日には、台本片手に神社を訪れるドラマファンの姿も多く見られます。

Photo by @mitsumasa_diarys

そして吉原神社を訪れるもうひとつの魅力が、周辺エリアに残る“江戸の記憶”。かつて遊郭だった街並みは現在では静かな住宅地となっているものの、石畳の路地や老舗の和菓子屋、芸妓文化を継承するお稽古場など、当時の面影を感じさせるスポットが点在しています。地元の人々が大切に守り続けてきた空気感が、訪れる旅人に静かな感動を与えてくれます。また、吉原神社は浅草駅からやや離れている分、「浅草観光の“締め”に訪れたい場所」としてもおすすめ。喧騒から離れた静けさの中で、旅の余韻に浸るのにぴったりです。一見、華やかな観光地とは対照的な“奥浅草”のエリアに位置するこの神社ですが、そこには江戸から令和へと続く文化と物語が息づいています。歴史の舞台裏に思いを馳せながら、物語の足跡をたどる。そんな、ちょっと特別な浅草体験を、この夏は旅の一コマに加えてみてはいかがでしょうか。

参拝時間24時間可能(境内自由)
住所東京都台東区千束3-20-2
アクセス・ホテルタビノス浅草から徒歩約15分
・ホテルグレイスリー浅草より徒歩約3分の浅草雷門停よりバス、竜泉停下車徒歩で約5分
URLhttp://yoshiwarajinja.tokyo-jinjacho.or.jp/

今回の旅の拠点