絵はがきのような一面の銀世界に魅せられる。鳥獣戯画を保管する「栂尾山 高山寺」

京都市街地からバスで1時間ほど。山の中にひっそりと佇む「栂尾(とがのお)山 高山寺(こうざんじ)」。国宝や重要文化財を有し、世界文化遺産にも登録されています。また新緑や紅葉、雪景色など季節ごとに違った表情を見せてくれ、その景勝を目的に訪れる観光客は後を絶ちません。文化財から絶景まで楽しめる同寺。少し遠くても訪れてほしい京都観光で外せないスポットです。

奈良時代に創建された「栂尾山　高山寺」。1966年に史跡、1994年に世界文化遺産に登録されています。数多くの国宝や重要文化財を有していることで知られていて、なかでも有名なのは甲乙丙丁4巻からなる墨画の絵巻物”鳥獣人物戯画”。人間なども描かれているのですが、よく知られているのは躍動感いっぱいの擬人化されたカエルやウサギたち。描かれた時代や作者は詳しくは分かっていないそうですが、想像力の豊かさに驚かされます。

同寺が位置するのは京都市北西部の自然豊かな場所。そのため春夏秋冬の絶景を目的に訪れる観光客も多く、特にみずみずしい若葉が美しい新緑や辺り一面が赤や黄色に染まる紅葉の季節が人気です。その壮大な眺望をひときわ楽しめるのが、鎌倉時代に建設された国宝”石水院”。遮るものがないため、絵はがきのような光景が広がります。2月ごろには雪が木々を覆い尽くし真っ白な世界に一変。シンとした静寂に包まれ、この季節だけでしか味わえない雰囲気となります。京都観光の際は少し足を伸ばして見どころ満載の同寺にも訪れてみて。