会津若松を散策しながら訪れたい。日本の近代医学の先人・野口英世が青春時代を過ごした歴史スポット３選

千円札でおなじみの野口英世。へびの毒や黄熱病の研究など、細菌学に命を捧げた明治期の偉大なる研究者です。1876年に、福島県の猪苗代湖の湖畔に位置する三ツ和村三城潟（現：猪苗代町）で誕生。15歳で医学の道を志し、17歳から20歳までの3年半の間、医学を学ぶために会津若松市で過ごしました。そこで今回は、当時の情景が目に浮かぶようなレトロな雰囲気漂う、野口英世にゆかりのあるおすすめスポットを3つご紹介します。

全て会津若松駅よりバスで乗り換えなく訪れることができます。

野口氏も母も通った、恩師・小林栄の娘の嫁ぎ先。170年もの歴史がある有形文化財「末廣酒造嘉永蔵」

創業1850年創業の「末廣酒造嘉永蔵（すえひろしゅぞうかえいぐら）」。貧しさのあまり進学をあきらめかけていた野口氏に、高等小学校に通えるよう取り計らった恩師・小林 栄の親族が営んでいた酒蔵です。野口氏自身だけでなく彼の母も、たびたび訪れていたそう。幕末、明治、大正時代に建てられた７つの建物で構成されており、その大部分は有形文化財に登録されています。年季の入った木材は、これまで歩んできた歴史を物語っているよう。酒蔵内は無料で見学可能。昔ながらの趣ある雰囲気を感じながら、はかりや精米機、釜場など日本酒が作られる工程を見ることができます。2階の大広間には、英世が実際に書いたとされる書や写真も展示されているので、そちらもチェックして。酒蔵探訪が終わったら蔵を改築した空間でゆっくりカフェタイム。末廣酒造こだわりの日本酒が勢揃いするショップもあるので、好みの１本を見つけるのもいいかも。

営業時間	9:00〜17:00　（蔵見学は10:00〜16:00で１時間ごとの案内）
住所	福島県会津若松市日新町12-38
アクセス	JR会津若松駅から周遊バス「ハイカラさん」で12分、大和町より徒歩1分
URL	https://www.sake-suehiro.jp/top.html

野口氏が医学に魅了されるきっかけとなった手術が実施され、住み込みで医学の基礎を学んだ病院を再利用した「野口英世青春館・會津壹番館」

黒い漆喰が施された、重厚感ある蔵造りの洋館「野口英世青春館・会津壹番館」。1884年に”会陽医院”として建てられ、1892年にアメリカ帰りの医師・渡部鼎が、火傷によって指が癒着してしまっていた野口氏の左手の手術をした場所です。手術の成功に感激した野口氏はここで3年半ほど住み込みで働きながら、医学の基礎を学んだそう。現在はそのままの建物が再利用され、1階は喫茶店「會津壹番館」、2階は野口氏にまつわる資料が展示されている「野口英世青春館」となっています。「會津壹番館」では、選別した生豆を自家焙煎し、磐梯山の湧き水で時間をかけて水出し抽出されたダッチコーヒーが名物。コーヒーカップやソーサーには、可愛らしい野口氏のイラストが描かれています。購入可能なので、お土産としてもおすすめです。

営業時間	8:00~20:00　元旦定休日
住所	福島県会津若松市中町4-18
アクセス	JR会津若松駅から周遊バス「ハイカラさん」で15分、野口英世青春館前より徒歩すぐ
URL	http://www.uyou.gr.jp/aizu-ichibankan/index.html

野口氏が宣教師に英語を教わり、初恋の人と出会った「日本キリスト教団 若松栄町教会」

参照：那須高原のとっておき！ 『会津若松七日町への旅　＜８＞　　（おわり）』

野口氏が洗礼を受けた教会として知られる「日本キリスト教団 若松栄町教会」。最初の建物は1894年に建設され、野口氏が会陽医院で住み込みで働いていた頃に宣教師から英語を教わっていた学びの場でもあります。また、初恋の相手・山内ヨネ子と出会った、甘酸っぱい思い出が詰まった教会なのです。結局彼の初恋は実らなかったものの、牧師にそのときの恋の悩みや人生相談に乗ってもらいながら聖書に触れ、洗礼を受けることに至ったのだとか。その後1911年に現在の地に移転し、会津若松における初期の本格的な西洋建築として建てられました。木造の白い板張りのゴシック式構造が印象的で、国の登録有形文化財、会津若松市歴史的景観指定建造物にも指定されています。

開館時間	日曜日のみ拝観可能　10:30〜 ※詳細は教会に直接お問い合わせください。
住所	福島県会津若松市西栄町8-36
アクセス	JR会津若松駅から周遊バス「ハイカラさん」で15分、野口英世青春館前より徒歩6分
URL	http://etsuya.cocolog-nifty.com/